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伝記「岩崎弥太郎」を読む
This is my site Written by iwasaki on 2009/09/30 – 20:39

1週間の介護帰省中に、時間を見つけて村上元三著「岩崎弥太郎」を読み終えました。
三菱財閥の創始者である「岩崎弥太郎」とは同じ姓ですが、もちろん何の縁もゆかりもありませんが、今年五月に四国お遍路で高知県東部の町を歩いている時に、偶然その銅像と顕彰碑に出合ってから、一度その経歴を見てみたいなと思っていました。
著者の村上元三氏は直木賞の選考委員を30年以上続けた大衆文学の大家ですが、土佐藩の上級武士の目を通して弥太郎の生き様を語っていく手法にもまた、大いに惹かれました。
江戸末期、土佐藩の下級武士のその下=地下浪人の生まれで、武家社会の変革期に主義主張や志を掲げて倒れていった多くの若者たちを横目に、義理人情よりも利を大事にして商人の道に踏み出した彼は、明治維新と言う社会構造の大変革を好機と捉えて、大商人にのし上がっていったのです。
そんな生き様を見るにつけ、平成維新のこの時代にも新たな活動を起す若者が続々出てくることを望むのは筆者一人ではないと思います。
義よりも利を求めた明治維新時代の雄、今度は利よりも心を求める時代の英雄を求めています。

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