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あたり前田のクラッカーのような顔
This is my site Written by iwasaki on 2010/12/06 – 17:36

妻に代わってクリーニングを受け取りに行ったら、暇そうにしていた老齢の女性店主がいいところに来たとばかりに話しかけてきた。
「ご主人さん、最近は不況ですね。お客さんも皆言ってます。クリーニングを集配する営業マンも、お店によっては1日1つのところもあると嘆いていました。お店をしていたら電気代も暖房代も要ります。うちは自分の店舗ですからましだけど、貸店舗でパートを雇っていたら、もう続けられない状況ですよ」と一気にまくし立てる。
「お宅は人柄がいいからお客さんが多いでしょう」と、よいしょ気味に応えたら、「それでもお客さんが減っているんですよ。それに娘にもパート代を払っていますからね」
時々手伝っている娘さんの顔を思い浮かべていると、「娘がね、“お母さん、介護費用なんて出せませんから、認知症にならないようにいつまでも仕事をしてください”と、あたり前田のクラッカーのような顔で言うんです」
関西の中高年ならではの表現が出た。クラッカーのキャッチコピーから当たり前の意味で使われているが、そのような顔とは新鮮な表現である。いつも明るく応対してくれる娘さんには似つかわしくない表現だが、「厳しいことをしゃあしゃあと語る」という雰囲気が伝わってきた。
これからは、そう感じる発言に出会ったら、「あたり前田のクラッカーのような顔」の表現を使い込んでみよう。

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