人事の大先輩達に近況報告を差し上げますと、いつも丁寧なご返事をいただきますが、今回も弊社の経営概況報告書をお送りしましたら心情溢れるお手紙をいただいています。
その内容に共通するものは、戦後日本企業の発展を支えてきた日本的経営が、株主貢献を重視し、従業員には成果主義で接するアメリカ型に極端に舵を切った結果、リストラが横行し従業員の協力一致の社風が消え失せつつあることを憂う一方で、今回の不況の中から、松下幸之助氏や井深・本田さんの経営思想が見直され始めたことに注目しておられます。
「日本企業の発展をその中核として支えて来られた彼ら」だからこその、思いの強さです。
そんな彼らから、「松下翁の人材育成の一端を担った者として、それを次の世代に伝えてほしい」「人事・人材育成の世界の軸足がぶれていると思われるので、伝統を見直してほしい、時代をどう読むか語り合おう」との言葉をいただきますと、もちろんお世辞分を差し引いても、大先輩方々からの期待の大きさがヒシヒシと伝わってきます。
そのお一人からは松下幸之助著「新しい人間観の提唱」を名刺大に極細字で手書きされたものを同封いただきました。これこそ叱咤激励のお心と、名刺入れに入れて常に持ち歩くことにいたしました。
持つべきものは先輩・上司でもあります。