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特訓会という名の研修会
This is my site Written by iwasaki on 2012/09/30 – 15:02

昨年末に、ある大手メーカーの工場長から、「次のマネージャーが足りないので、候補研修終了者の中から、ニーズの高い人を選んで指導してもらえないか」との依頼があった。この会社では、この3年間、革新リーダー育成研修を行ってきて、徐々にマネージャーを送り出してきているが、更なるドライブをかけたいとの思いである。

早速、研修終了者の中でまだマネージャーに昇格していない優秀者を人選してもらい、並行して、研修プランを立案した。実施回数は2か月に1回で全4回、全て土曜日、前半分は昇格するために必要なマネージャー要件の不足部分の補填を行う内容にして「補講会」と名付け、後半2回は候補者に選ばれた人に絞っての「必勝法の伝授」の場として「特訓会」と名付けた。

指導上司にも参加いただいた。活動発表では必ず上司の指導状況も付記していただき、参加者全員(もちろん受講者も)がその活動で十分かどうかをコメントすることにした。ただし、十分であれば○の一言で終わり。不十分な場合のみ、その理由を簡潔にコメントすることにした。

日本人は、褒めることは容易にできるが、厳しい指摘は言葉を濁してなかなか核心に迫ったコメントをしない傾向があるので、このやり方を選んだのである。国際プロコーチの助っ人が、スタート間もない時点で、覚悟が不十分な受講者の発言を捉えて、柔らかな大阪弁で柔らかな言葉だが、「わりゃあ、なめとんのか!」という思いが伝わる喝を入れてくれたお陰で、最初から厳しいコメントが飛び交って、いやが上にも緊張感がみなぎる、期待したとおりの研修会になった。

昨日、特訓会の2回目、補講会全体の最終会を行った。結果は全員がスタート時点から一段も二段も上に成長して、ほぼ昇進できるレベルにまで達することができたと、上司も講師も評価した。

いつもの居酒屋ではなくて、小さな割烹に招待されて行われた打ち上げ会では、受講生たちが自分の努力と成果を少々はにかみながら発表し、上司達もその成長を称え、併せて、その過程を通して、OJT力が具体的に向上したことを実感として語ってくれた。

「補講会、特訓会」という名の研修会は、それを受ける研修生には気が重い、出席するのも嫌なことが多いと思うが、「参加者全員がその場のねらいを腹に落としていれば、見事なまでの研修成果をモノにすることができる」ことを、まざまざと実感した8か月間であった。

後は昇進が決まったとの朗報を待つばかりである。

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