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客の声を聴かない会社
This is my site Written by iwasaki on 2009/10/17 – 19:42

ファックスの液晶画面が見えなくなりましたので、現役時代の電器会社の展示会に行ってきました。
大型体育館の中は中央に家電製品が所狭しと展示され、周囲には電気店さんのテーブルが並んでいます。行きつけの電気屋さんがお客で溢れていましたので、先ずは商品を見て回りました。
掃除機コーナーではベテラン営業マンが年配のおばちゃん達を相手に熱弁をふるっています。「軽い掃除機はないのかな。嫁さんが2階に持って上がるのが大変になってきてね」と聞きますと、「掃除機はモーターを小さくしたら、吸引力が落ちます」、「子供も巣立ったので、吸引力よりも軽さが大事なんだけどね」、周囲のおばちゃん達も「そやそや」と賛同です。
「モーターを軽くしたら通産省の許可もおりません」、彼の中ではまだ経産省には替わっていませんし、客の声も聴こえませんでした。
次のパン焼き機のコーナーでは、「昔のパン焼き機は夜中じゅうゴトゴトいって大変だったんだよ。この騒音は何デシベル?」、若い営業マンは昔のトラブルは全く知らず、騒音レベルも知りません。
どこのコーナーでも一方的な説明ばかりで、客からの質問には的を得た回答がほとんどありませんでした。
「こりゃあ、あかんな」と思いつつ会場を出ましたら、雨が降り出していました。車まで小走りに急ぎましたら、駐車場の前の通路は車が渋滞しており、ガードマンが指示棒で歩行者を止めて車を通しています。土砂降りになってきましたので、「車の中は濡れないから、歩行者を早く通してよ」と訴えても、指示棒を上げませんでした。
ずぶ濡れになって車に乗ってから、「創業者がいた頃は、こんな展示会の時は保安の人にまでお客様大事を徹底していたのになあ」
「お客の声を聴かなくなった会社」「お客様大事の風土が崩壊してきた会社」、この会社の株は早く売った方がいいなと思いつつ、車の列の中に入って行きました。

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