子育てママさんへのコーチング講話の打ち合わせで、ボランティアの代表の方をお訪ねしてきました。
事前に関連資料をお送りしていましたので、開口一番、「この子育て頑張り度チェックリストは、お母さんたちに価値観を押し付けており、重荷になります」と厳しいお話です。「今時のお母さんたちは、母・妻である前に個人であり、個人の自己実現を最優先し、夫婦関係も友達関係など従来の関係とは大きく違っている」、と言うのがその理由でした。
併せて、「長いボランティア活動を通して、男女共同参画の社会づくりを目指しており、妻は夫と対等であり、可愛い妻とか頼りがいのある夫という見方も価値観の押しつけになります」と、さらに念を押されました。
「男女は対等であり、性差ではなく個差だ」と公言して人事活動をしてきた者として、「はあ、そうですか」とあいまいな返事をしました。
教育的指導のない単なるスキル研修や講話は、お金をもらってもやらないことにしていますので、いささかモラールダウンして、雨の道を帰っていたのですが、筆者とそんなに年齢の変わらないボランティア代表の言葉は、若いママさんたちを相手にしながらの苦労話だと思い直しました。
「そうだ、表向きにはママさんたちの個人（利己）主義を是認しつつ、随所に、教育的指導を連発するぞ」と心に決めて、ようやくやる気を取り戻すことができました。