Banner
ハローワークの職業指導官
This is my site Written by iwasaki on 2009/12/11 – 19:11

東京3日目の夕方はHRD研究会、「雇用施策とハローワークの現状」と題したレポートを聞いての論議です。プレゼンターはハーローワーク勤務の職業指導官、と言いましても、この役職名から想像するいかめしいおっさんレポーターではなくて、妙齢のママさんキャリアです。
先ずは完全失業率5.1%、有効求人倍率0.44倍との雇用失業情勢から入ったところで質問が続出します。「年齢層によって求人状況は違うでしょう?」「そうですね。25歳まででしたら仕事はいくらでもあります。でも40歳過ぎたらもうないんです」、これは大変です。50代以降では100枚求人票を見ても該当するのは1件くらいだとか。
仕事を失って住むところまでもなくしたばかりの人は、身ぎれいにする術も知らないので、カウンセリングを終わった後はファブリーズが必要な場合もあるとか。ましてや、一人住まいの50歳以上の女性が相談に来られたら、どうやって生活を立てていくか一緒になって悩みまくるそうです。
このように、仕事を求める人たちの相談相手である指導官達にとって、ハローワークは彼らの仕事場でもあるのです。レポートの最終行に「なぜ、私はハローワークで仕事をやり続けるか」と、書かれているのを見つけたグローバルキャリア満点の女性役員からその意味を聞かれた指導官が、見事な答えをしました。
「私はそんなに人が好きな訳でもありませんが、この職に就いた以上、ベストを尽くすのが天命なのです」
民間からのベテラン転入指導官達が、相談に応じきれずに、自ら精神を病む事例も多い中で、足元にファブリーズをまきながら、押し寄せる求職希望者に毎日毎日20名以上と対峙(たいじ)している女性指導官は、関西のおばちゃんの生活力にも似たしたたかさがありました。

Posted in  

Leave a Reply