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城山三郎の人物の描き方
This is my site Written by iwasaki on 2009/12/12 – 18:29

今年の夏の城山三郎氏の「官僚たちの夏」のテレビ放映化に続いて、「坂の上の雲」が半年かけて放映され始めましたので、ビデオに撮って楽しんでいます。
彼の著書は以前から大好きで、「坂の上の雲」はビジネス書としても何度も読み返してきていますが、それ以外にも読んで心に残る本がたくさんありますので、最近、改めて読み直し始めました。
商社マンを引退後、国鉄総裁に就任し、その硬骨漢ぶりで国会議員をも湧かせた石田禮輔氏を描いた「粗にして野だが卑ではない」、財界の鞍馬天狗と言われた日本興業銀行の中山素平氏を描いた「運を天に任すなんて」等など、どれも人物論としてだけでも学ぶべきこと大ですが、単に個人の生き方にとどまらず、その時代・歴史のダイナミズムの中で生きていく人間像、社会像を描いているところにその魅力があります。
併せて、「官僚たちの夏」を読んだ後に、佐高信著「”官僚たちの夏”の佐橋滋」を読み、「坂の上の雲」では秋山真之の遺稿と近しい人が書いた伝記を合わせた秋山真之著・秋山真之会編の「天気晴朗ナレドモ波高シ」を読んでみますと、城山三郎氏がそれぞれの本を書く場合に、徹底した情報収集を行っていたが、本人には絶対会わなかったという人物の描き方への姿勢が伝わってきます。
この偉大な作家と比べようもありませんが、「人物を観察し、その理解の感性を磨きたい」と、常に出会いを求めて歩きまわり、それらを毎日拙文ながらブログで発信してきていますので、それらから、何らかの世相とそこに生きる現代人の生き様がお伝えできれば幸せそのものです。

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