人生第一部時代は海外会社を持つ製造事業所や海外を統括する本部で勤務する機会が多くありましたので、国内勤務の人材を海外出向や駐在に送り出す仕事を何度も経験しました。
海外で仕事をしたいと早くから英語を勉強する人、会社づくりのために選ばれたエキスパート達に加えて、更に成長して欲しい人・一皮むけて欲しい人からも人選して、現地の言葉を教育して、「口から言葉が溢れ出します」との冗談も聞きながら次から次へと送り出しました。
昨晩は海外出向経験者と食事をする機会がありました。美味しい食事とアルコールに軽くなった口で、「海外勤務経験者は一味もふた味も違いますね。将来の幹部人材を育成するために優秀人材をドンドン送り出したらどうですか？」と口火を切りましたら、待っていたかのように、体験談が次から次へと話されます。
「とにかく何から何までやらなければなりませんからね。人材の採用から国家機関との交渉までやります」「食事の接待も頻繁で、お酒が強くなります」。語るほどに、厳しい海外勤務の中で鍛えられてきた人たちの自信と足腰の強さがにじみ出てきて、皆さんの顔がいっそう輝いてきました。
帰国したら、急に担当範囲が狭くなり、キャッシュフローなど経営管理の基本の責任のない一部門・部署の仕事になってしまうなど、成長した人材を活かす場づくりの必要性はありますが、海外勤務は人材を大きく伸ばす絶好の機会であることは間違いありません。