「うちの社長は悪い情報は聞きたくないと言うんですよ」、大手企業グループの幹部が驚くことを言いだしました。
「ええ～っ、悪い情報はすぐに報告に来いではないんですか？」と聞き返しますと、「何で君はそんな嫌な話ばかり持って来るんだ。聞きたくない」といつも言われるのですが、「判断は社長がされるのですから是非聞いてくださいと報告に行くのですよ」
お客様第一を掲げ、マイナス情報収集作戦までやってきた会社の経営陣が信じられない行動をしています。「それだけじゃないんです。本社トップが火の用心と言ったら、そのとおり火の用心と下ろすんです。違うことを言ったら自分が責任を取らなければなりませんからね。」
企業が官僚化するとは正しくこのことです。経営者は自ら方針を出し、自らの責任で判断し、責任を取るものと思っていましたが、これじゃあ、お客様第一どころか自分第一がはびこり始めたようです。
「最近ライバルメーカーの商品の良さが目立ちますので、お宅の会社は危なくなるのではないですか」と言わなくてもいいことまで言ってしまって、そのお会社を後にしました。
この企業集団だけでなく、経営者づくりは緊急の課題のようです。