「グローバルを基点として新たな人事戦略とは何でしょうね？」企業の人事責任者との夕食会の冒頭にこんな話題が出されました。
企業の人事戦略とは、事業の将来のあるべき姿、到達目標を前提として、それを達成するために人と組織をどう構成していくか、だと思っていますが、先ずは提起された思いをお聞きしてみました。
これまでの日本企業の海外展開は全て日本発であり、これから１０年先を考えると世界発、極端に言えば中国発になって行った時には、日本人の採用や日本人マネージャーの育成、日本人の海外出向など、これまで日本企業が常識として行ってきた人事政策の基本を大きく変えなければならない。そうなっていくと、あるべき人事戦略はどんなものか、なかなか描ききれないとの悩みでした。
最近、ユニクロなどの企業が社内公用語を英語にしたり、外国人採用を大幅に増やしたりして軸足を日本から海外にシフトし始めている中で、それぞれの企業が将来の姿を模索し始めている表れの一つかと思います。
日本のような、狭い国土に人口が密集している極東の小国が、これから生き延びて、かつ、発展するためにはどんな企業戦略が必要なのか、それに合わせた人事戦略はどんなものなのか、人事責任者達の試行錯誤は当分続きそうです。