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適材適所か随所適材か
This is my site Written by iwasaki on 2010/07/14 – 08:23

人材配置の基本の考え方に、その人物の能力・適性・希望を見極めて、相応しい仕事・ポストに配置する適材適所がありますが、そんな枠を超えて頑張っているビジネスマンにお会いしてきました。
長らく大手企業で海外産品の輸入業務を担当してきた彼は、50歳を過ぎて急成長中の人材ビジネス会社に勤務しました。その会社では海外の同業会社の買収を進めており、1枚の決裁書で何十億円を動かす仕事を担当することになったそうです。余りのリスクの大きさに緊張の連続だったそうですが、最終的に個人責任を問われそうな部長ポストを固辞し副部長として、この危険極まりない仕事を何とか乗り切ったそうです。
そして、3年前から現在のISO認証事業を行う外資系企業でエリアマネージャーを担当しています。彼の経歴から当然営業責任者だと思っていたのですが、営業業務が東京本社に集約された現在は、審査員の評価やモティベーション管理・クレーム処理などの人事管理中心の仕事をしています。併せて、審査員資格の取得にまでチャレンジしています。
「営業社員として生きてきたのに、よく人事管理的な仕事ができますね」との質問に、「永年教えられてきた人間大事・人材育成大事が大変役立っています。それにクレーム処理では先ずは頭を下げて、申し分かりません、から入ることが身についていますからね」と何の気負いもなく笑顔で答えてくれました。
随所適材は能力や適性の問題ではなくて、その仕事を担当する覚悟とその場にふさわしい努力のしかたから出来上がるもののようです。
「今の仕事は安定していますが、面白みに欠けますね。何十億円のリスクを背負う仕事を知ってしまったからでしょうか」、物静かで温厚な彼のどこにこんなエネルギーがあるのでしょうか。

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