長かった梅雨、ほぼ連日雨模様で滝のような雨が何度も降った梅雨が今週末には明けますが、それを待ち望んでいたかのように今朝からクマゼミが鳴きだしました。
「ワシワシワシワシ」と、うるさ過ぎる鳴き声ですが、鳴きはじめの日だけは何となく新鮮で懐かしい響きがあります。
高校時代までを過ごした宮崎では、夜に地面から這い出して来る幼虫を目を皿のようにして探し回り、朝は成虫が抜け出た抜け殻の数を数えて一日の始まりにしていました。まだエアコンなどない時代でしたので、夏休みにはうるさいせみ時雨の中で、水を入れたバケツに足を入れながら、汗をかきかき宿題に取り組んでいました。
現在の家に住まいしてからは、隣にある高校のグランドに立ち並んだ背の高い木々から連日物凄い鳴き声が聞こえてきて、少しは静かにならないかなあと思い続けてきましたが、最近それらの木が切り倒されてしまい、鳴き声の大音響が相当静かになってきています。
セミ、幼虫として数年間土の中で過ごし、空に飛び立って１週間で生命を終える昆虫の一生に、日頃忘れているもののあわれを感じます。
歳を重ねてきますと夏の暑さが苦痛になってきてエアコンに頼ってしまいますが、たまには自然の動きに立ち止まって、暑さしのぎのひと時を持ちたいものです。