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デフレ時代の居酒屋考
This is my site Written by iwasaki on 2010/10/15 – 19:30

企業の研修担当者を囲んで研修終了の打ち上げ会を行った。助っ人講師の恩師が予約された店は梅田にある高級ホテルの地下2階にある居酒屋だ。
「この店は豆腐料理がおいしくて安いんだよ」との解説を聞きながらお店に入っていくと、なるほど少し年長のビジネスマンが好む店づくりが行われている。落ち着いた色調に個室風に簡単に仕切ったテーブル、奥の完全個室は掘り炬燵形式、上手に高級感を出している。
出てくる料理は盛り付けに凝っているが、一品一品は少量で味もそれなり、この店で食べて飲んで終わりでもよいが、威勢がよければ北新地に繰り出しても良いロケーションである。
店員の質はどうかな、と見ていると、言葉づかいはきっちりと指導されているが、注文の取り方や配膳になるとそこかしこにミスが目立つ。コストを下げるためにベテラン店員を置かずアルバイトに頼っているので、これは止むを得ないのかもしれない。
支払い段階で、事前にもらっていた割引券を出してまた新しい気づきがあった。5000円の割引券は15,000円以上に使え、それ以下では20%引き、3000円の割引券は10,000円以上で使え、それ以下では20%引き、グルナビ等についている割引券よりも率がいい。ただし、クレジットカードの使用は不可だ。
デフレ時代になって、飲食激戦区の梅田では、こんなロケーションの良い名の通った店でも思った以上の割引合戦をしているようだ。そのために、料理の質や量、店員人件費の切り詰め、見栄えの良い割引券の発行等など、居酒屋業界の生き残りの努力があちこちに見受けられる。
翌日の仕事の関係で1次会で失礼したが、恩師と人事マンは北新地に繰り出した。じっくり飲み食い語ることに満足感をおぼえるようになって立ち寄らなくなった北新地の周囲を通って、北新地もまたデフレ時代の対応になっているのだろうかと思いつつ家路に着いた。

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