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大学のキャリア教育の難しさ
This is my site Written by iwasaki on 2010/10/28 – 11:35

友人が非常勤講師として大学のキャリア教育を始めたと聞いて、教室での授業風景を見学させてもらった。
最寄駅から20分ほどスクールバスに乗ると、郊外の住宅街の先にその大学があり、中学・高校の併設もあって、新しいきれいな学舎が立ち並んでいる。
1回生を対象にしたキャリアデザイン論は階段状大教室の前6列を使って、座席指定で行われている。総勢80名くらいと聞いていたが、欠席者も多くて60名強の学生達が座っていた。授業開始後入室してくる学生が数名、すぐに寝る学生、いつまでも私語を続ける学生も散見される状況で講義が開始された。
前回話し合われた社会人としてのマナー問題のまとめが講師から説明されると、素直な顔をして聞いているのが1/3以下、半分くらいは無表情、残りはいかにも白けたという表情を浮かべる。確かに大学生に教える内容ではないかもしれないが、ここから入らなければならないのが実情なのだろう。
途中、ワークシートを使って仕事を選ぶ理由など興味傾向や就業意識を整理していくが、この段階になってくると、講師とこのクラスと担当教官が教室中を回って、学生に話しかけ、寝ている学生には「これを記入していなければ、最終の提出シートを書けないよ」と注意している。
大学に入学してまだ半年、就職意識など全くない高校生の延長のような若者達にキャリアづくりの必要性を説くのは無理かもしれない。しかしこの時期から意識づくりをしていかなければ2年後の就活開始時にフリーハンドで立ち向かわなければならなくなるのもよく分かる。
完成度の高い講義内容を事前に読んでいったが、自分の子供たちよりも若い学生を相手に、意識づくりから始めて行動まで変えさせるには、相当な覚悟とお決まりの講義テキストに止まらない、回を追うごとの追加講義、追加アドバイスが必要になって来そうだ。
講義を終わった友人のやや紅潮した顔を見ながら、キャリア研修には関心があるが、意欲・意識のない10代の学生相手の講義は自分には無理だな、やはり自らを変えていきたい、変える必要性を認識している企業のそれもミドル層やその予備軍にターゲットを絞って仕事をしていこうと再確認して大学を後にした。

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