組織力の強化のためにはマネージャーのリーダーシップ強化が大事だとの課題認識から、広くリーダーシップ研修が行われ、弊社にもその依頼をいただくが、それだけでは片手落ちではないかとの思いを強くしてきている。
上司が何もしてくれないと愚痴を言う中堅や若手社員の「くれない族」や仕事の出来ないことや失敗の理由を上司に求める「他責族」の追放には、上司のリーダーシップ力向上に加えて、部下側のフォロワーシップのマインドと行動がセットとして必要だと認識させられる事例に何度となく出くわすからだ。
リーダーシップ論の第一人者、神戸大学の金井壽宏教授が、リーダーシップをリーダーとフォロワーの間にある現象だと捉え、効果的なリーダーシップが発揮されるためには、フォロワーが能動的に行動することが重要だと指摘していることに大納得である。
フォロワーシップを構成する貢献力と批判力のうち、貢献力では、上司の短所を補って不十分さを責めないことと、上司に対して出来るだけ自分をさらけ出して、さらに責任の重い仕事を引き受ける意欲を示すこと、批判力では、上司からの反感を持たれないように、上司の気持ちを推し量って、上手な表現で提案することが大事であること、これらの３つに留意して、フォロワーシップを行動に移して欲しいと思う。