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箱根駅伝、たすきが紡ぐ数々の人間ドラマ
This is my site Written by iwasaki on 2011/01/04 – 13:50

元日に九州から帰ってきたので、2日・3日に行われた箱根駅伝をスタートからゴールまで、初めてじっくり観戦できた。
この大会に臨む各大学の事情は、監督の就任後の活動が面白い。城西大学の監督は早稲田OB、國學院大學の監督は駒沢OBであり、それぞれに出身大学や恩師監督のカラーを持ちこみつつ、「勝ってこそ恩返しができる」と、シード校入りや上位入賞を目指して過酷とも言える練習を積んできている。
また各校の選手については、出身高校は言うに及ばず、それぞれのプロフィールや箱根までのエピソードが数多く紹介されて、それだけでも観る価値がある。
高校時代から実績を残して1年生で区間新を勝ち取る選手には、将来の日本マラソン界を支える颯爽とした自信あふれる顔が見られ、一方、箱根駅伝に出場することを夢見て、地道に練習を重ねて、4年生になって初めて走る選手には人生を生き抜く足腰の強さが溢れている。
そんな各大学・各選手の思いの頂点に立ったのが早稲田大学であり、就任後7年目にして、18年ぶりの総合優勝を勝ち取った渡辺監督だ。どん底だった早稲田駅伝チームの監督に就任した経緯から復活への取り組みについては渡辺康幸著「自ら育つ力」に詳しい。
この2・3年、優勝候補に挙げられながら2位以下に甘んじたひ弱集団に栄光をもたらした最後の仕上げについては、もう少し情報収集してみたいが、厳しい箱根路の山登りや下り、詰めの9区・10区には4年生やキャップテン・次期キャップテン達を配して、責任感で押し切った人材配置にも学ぶ点は多そうだ。
最後に、初シード獲得をほぼ手中にしたゴール前でコースを間違えた國學院の10区ランナーには、就任4年目の監督は驚いて腰を抜かしたのではないだろうか。慌てて取って返し、10位を取り戻したから良かったものの、もし及ばなかったら、どんな事後劇が待ち受けていただろうか。
たすきが紡ぐ人間ドラマには限りがない。喜びも悲しみも全て残して今年の箱根駅伝は終わった。これから黙々と練習する選手達、それを指導する監督達、支えるスタッフ達、新たなたすきリレーを期待したい。

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