マネジメントやコーチング・部下育成の研修を行う際には、研修の冒頭に受講者達全員に対して上司や部下との関係についての悩みを聞くことにしている。加えて、研修の途中でもできるだけ実際に起きている問題を出してもらい、それを題材にしながらディスカッションやロールプレイングを行ってきている。
部下との関係では今時の若者とどう接して行くかはいつの時代でも同じだが、最近は女性の部下の扱い方の悩みが増えてきている。高学歴で権利意識も強くなった有能な女性部下から、男女同等の対応を求めながら場面場面で女性特有のプライドや公平な扱いを求められて、「そこまで気をつけなければいけないのか」と面倒くささの浮かんだ戸惑い顔がある。
一方、上司問題では「うちの上司はこんなに素晴らしいんですよ」と自慢する姿はほとんどない。部下管理や部下育成に無頓着な上司、頑張れと言うだけの掛け声上司、言うことと為すことがかけ離れていて模範になれない上司など、上司への悩みは限りない。有能な上司が激減した職場の実情がありありと見えてくる。
「中間管理職はしんどいです」、上からは成果と部下管理を求められ、下からはわがままな声の混じった突き上げを食らう中間管理職はしんどいものだ。しかし、日本ではこれまでこの中間管理職＝ミドルの頑張りが部下を育て、組織を支えて企業成長の中核的な役割を演じてきた。
「中間管理職の皆さん、しんどいけれども一番やりがいのある立場にいるんですよ。あとになってあの時代が一番生き生きしていたと必ず思います」
「若者たちよ、管理職にはなりたくないとの声をよく耳にするが、尻込みせずに挑戦してほしい。必ずや自分の隠れた才能が花開くこと請け合いです」