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正論を大事にしたい
This is my site Written by iwasaki on 2011/02/21 – 11:09

「あいつは正論ばかり言うけど」とか「それは正論だけどね」とか、長い会社員生活時代は言うに及ばず、日本社会のあちこちで、「正しいことは分かっていても、状況を理解せずに和を乱す発言」として正論という言葉が使われることが極めて多い。
その傾向はグループ討議の演習をしていてもよく見られる。基本の考え方を開示せずに、状況から議論を展開しようとする人の何と多いことか。
最近、本屋のメインゾーンに「宰相の資格」櫻井よしこ著といういかめしい本が山積みされている。フジサンケイグループが「特筆すべき言論活動を行ったオピニオンリーダー」に贈る賞である正論大賞の第26回(2010年)受賞作品である。
内容は管さんから小泉さんまでの6代の首相がものの見事に正論で切り捨てられている。読み進みながら一つひとつ「その通りだよね」と思うが、ついには「そうは言っても現実の政治の世界は」と言いたくなってしまう。
これが正直な感想であり、「和を持って貴しとなす」日本人特有の感覚だと思う。
しかしながら、物事を判断する場合に、単に状況に合わせて考えていくのではなくて、「正論=基本の考え方はこうだ」、そこから「これこれの状況からここまで変えてこう考えるべきではないか」と議論を展開してこそ、ロジカルに議論がかみ合っていくのだと思う。
正論大賞受賞者の錚々たる言論人を見ながら、改めて、「正論を大事にしたい」と思い直している。

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