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ちょい山ひとりぼっちで見える風景
This is my site Written by iwasaki on 2011/05/08 – 19:01

ゴールデンウィークの最終日、仕事に出かける妻をおいて近場の山にトレーニングに出かけることにした。「一人よりも友達と一緒の方が楽しいよ」と妻が気遣ってくれるが、いつもの親友たちは介護帰省の疲れ、短歌の会で糸魚川へ、古希過ぎての登山禁止令と、久しぶりのひとりぼっちになってしまった。
立夏を過ぎて暑いくらいの五月晴れ、少し早いかなと思った短パンTシャツの夏スタイルが快適だ。オリエンテーリング大会を行っているらしいボーイスカウトのグループを何組も追い越して、大きな池のそばに立てられた野外活動センターのベンチに汗まみれでたどり着いた。我ながらいいペースであり、2週間後に迫った四国剣山系登山の足の準備がほぼ整ったようだ。
弁当を広げて缶ビールをグイッと飲み始めたら至福の時である。話し相手がいないので、行き来する夫婦連れを観察していたらこれが面白い。
同じような登山スタイルで軽快に歩いている中高年夫婦達は、人生の年輪までうかがえて、微笑ましいほどに仲が良い。
一方、妻が颯爽と歩き、後ろから夫がトボトボとついていく同年輩夫婦は惨めそのもの。ベンチに座ると妻がテキパキとコーヒーを作り、夫は背中を丸めてうつむき加減、ビールをグイグイやっているこちらを羨ましそうに見ながら、妻が差し出すコーヒーを仕方なさそうに飲んでいる。「定年になって濡れ落ち葉になってしまったのかな」と人ごとながら心配してしまった。
それに比べてこちらは一人だが、愛妻弁当に舌鼓を打ちながらビールグイグイ、幸せの形はいろいろある。この2か月間忘れていたひとり山行を楽しむ心の余裕も少しずつ戻ってきたようだ。

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